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フィクサーによる日本の教育改革本9 第12章 

どうも、パーフェクトヒューマン志願者武信です。

 

前回の記事は以下です。文字数2695

 

第12章「そもそも、イノベーションは国家の力が大だったとしたら」

 

目次
  
1 アップルとグーグルとその他の例

2 インターネット、バイオテクノロジーナノテクノロジーの話

3 GPTs の話

4 政府投資、国家主導の話
 

 

1 アップルとグーグルとその他の例

この章で11章に続き、衝撃な問題提起をします。

 

今まで、デフレ構造やイノベーター不在が日本のG型の低迷の原因だと書いてきました。

 

ベンチャーキャピタルによる資金は日本にはそれなりにありますが肝心のイノベーターがいないと書いてきました。

 

大企業がベンチャーを支援しないから、高学歴層がリスクを怖がっているとも指摘しました。また、教育や国民性にも原因を求めてきました。

 

ですが、そもそもアメリカのイノベーションの成功事例が実は国家主導であり、国の強力な支援が前提だったとしたらどうなるでしょうか?

 

イノベーターだけの力じゃなく、国家の力が大きな割合を占めていたとしたらイノベーター不在だけに原因を求めるのは間違っていることになります。

 

「企業家としての国家」という本で僕は衝撃を受けました。この本の内容を参考にしながらこの章を書いていきます。

 

 アップルは実は完全に市場主義の実力の世界で勝ったわけではありません。

 

公的資金の援助、公的研究費のおかげで実現したテクノロジースティーブ・ジョブズらがデザインなどで付加価値を出したのとマーケティング戦略などによって花開かせたのです。

 

iPhoneの裏にある技術で公的研究費以外で実現したものは一つもありません。

 

情報通信技術、インターネット技術は元より、GPS(全地球測位システム)、タッチスクリーン画面、音声起動SIRIなどは全て政府資金によって可能になりました。

 

そして、大問題なのはアップルが税逃れをしているという点です。

 

公的支援によって成功を収めたのに税金で返していないのです。節税すれば経営者や投資家だけが利益を得ることになります。

 

また、グーグルのアルゴリズム技術はアメリカ国立科学財団(NSF)という公的セクターの研究資金で開発された事実もあります。

 

他には、ベンチャーキャピタルが乗り込んでくる前にバイオテクノロジーの基礎を作ったモレクローナル抗体はイギリスの公的研究機関である医学研究審議会(MRC) で発見されました。

 

さらに、アメリカの多くの革新的なベンチャービジネスは民間ベンチャーキャピタルの資金援助を受けておらず、アメリカ中小企業技術革新研究(SBIR)プログラムによって研究資金を提供されました。P71~72。

 

2 インターネット、バイオテクノロジーナノテクノロジーの話

インターネットやナノ技術は民間企業が目を付けましが投資資金を調達できなかったから国が後を引き継いで実現したというものではありません。

 

両技術とも民間企業が考えもしなかったもので政府が将来的視野をもって動いたから実現したのです。

 

しかも両技術が政府から公表されても民間企業は怖くて投資に踏みきれませんでした。

 

インターネット技術については市場に乗せるまで政府が支援し続けました。

 

バイオテクノロジーナノテクノロジー分野に民間ベンチャーキャピタルが投資するようになったのは政府支援の後、何年もしてからです。P73~74。

 

すべてのイノベーションが経済全体に成長をもたらすわけではありません。

 

一般的に言って、経済全体の成長は電力とかコンピュータの出現で見られたように新製品や工程に広汎な影響を与えることで起こります。

 

3 GPTs の話

こうした技術はマクロ経済学の観点から多目的な汎用技術(general purpose  technologies GPTs)と呼ばれます。

 

GPTsは3つの中心的特質があります。

1  多くの分野に広がる。

2  時間とともに技術が向上して使用者のコスト削減効果も継続して広がる。

3  新製品の製造や新しい工程を通してイノベーションを生みやすくする。

 

ラッタン(2006)は過去一世紀を見ると、大規模で長期にわたる政府投資がすべてのGPTsのエンジンになっているとします。

 

4 政府投資、国家主導の話

彼はアメリカの6つの複合技術の発展(フォード式の大量生産技術、航空技術、宇宙技術、情報技術、インターネット技術、原子力技術)を分析して、政府投資なくしてはこれらの技術が世に出ることはなかったと結論付けています。

 

特に原子力技術については巨額の政府支援がなければ間違いなく起こり得なかったとします。

 

これら複合技術は単に資金を提供するあるいは技術進歩環境を整えることだけで可能になったものは一つもありません。

 

重要なのは技術の将来性を俯瞰してリスクも不確実性も高い初期研究に本気で取り組み、市場に乗せるところまで関わることです。(ラッタン2006)。 P143~144。

 

シリコンバレーを現在の形にしたのは様々の形で実施された連邦政府支出企業戦略産学協同、そして最も重要な因子、冷戦時の防衛戦略に基づいて優先的に力が注がれた技術革新です。(レスリー2000、49)。

 

こうした事実にもかかわらず、政策立案者たちはシリコンバレーモデルをベンチャーキャピタルが作った革命だといまだに信じ込んでいます。P145。

 

他にも、製薬業界やグリーンテクノロジーイノベーションについても著者は国家主導だと言っています。

 

不確実性が高い分野は企業は投資に尻込みするのです。不確実性の高さ(リスク)を国家が先導的に主導することで企業も後から安心して追随できるわけです。

 

しかし、そのリスクを国家が主に背負い、企業は売上を上げても税金として返しません。言わばただ乗りしているわけです。

 

これらの問題を解決する方法は本書を読んでください。イノベーションが国家の力が大だったという視点は僕にはないものでした。非常に参考になりました。

 

僕の本は参考文献からかなりアイデアを借りました。参考文献を掲載したり、引用元を示したりしたのは著者に敬意を示したためです。ちなみに引用は多少、内容ではなく文体や形式や長さを変えていることはご承知ください。

 

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参考・引用文献。

「企業家としての国家」